2019年11月9日土曜日

響板修復3

割れを開く

特殊なノミ

埋め木材

割れを開き埋め木材を合わせる


なるべく深く均一に埋まるようにする

糊付け

糊付け

平らに削る

埋め木完成

1925年製GROTRIAN STEINWEG グランドピアノ2m20
響板割れの埋め木をしました。
テーパーに掘ることができる特殊なノミを使い、割れを開いていきます。
少しずつ掘りながら、埋め木材を何度も合わせ、なるべく深く均一に埋め木材が入るようにします。
糊付けして打ち込み、一晩置きます。
乾いたら、出っ張っている部分を平らに削ります。

割れを埋め木する理由は、ピアノを弾いた時に割れている部分がビリビリと振動して雑音になることがあるからです。
響板が割れていても、決して音が悪くなるとか音量が減るとかいうことはなく、致命傷ではありません。
昔のピアノは長年の湿度変化により響板が割れてしまう場合が多いのですが、割れていても大変美しい音色でよく響くピアノばかりです。
ただ、雑音が出てしまうと音色の美しさが半減してしまいますし、弾いていても心地よくないので、埋め木をして割れのない状態に戻す必要があります。
弦を張った状態ではできない作業なので、全体を解体して修復する機会に行います。
埋め木材は、響板を作っている木材と同じマツ科の木です。


0 件のコメント:

コメントを投稿