2019年10月30日水曜日

響板の状態






1925年製GROTRIAN STEINWEG グランドピアノ2m20
鉄骨を外し、響板全体の状態が良く見えるようになりました。
埃をざっと掃除して観察してみたところ、以前修復した方が割れを埋め木した跡がいくつか見られました。
再度割れてきている箇所がありますので、多少の修復作業が必要です。

2019年10月28日月曜日

解体6













1925年製GROTRIAN STEINWEG グランドピアノ2m20
全ての鉄骨のビスを取り外し、鉄骨を吊り上げて本体から外しました。
鉄骨はかなりの重量がありますので、怪我なく、またピアノを傷つけずに取り外すことができるよう、この作業はいつも緊張します。
皆様の助けを借りながら、無事に作業を終えることができました。

2019年10月26日土曜日

解体5





1925年製GROTRIAN STEINWEG グランドピアノ2m20
全てのチューニングピンを取り外しました。
これらのチューニングピンは廃棄となります。
太さを測っておき、新しいピンを入れるときには、元のものより少し太いピンを入れます。
ピンにばらつきがないかどうかも見ておかなければなりません。
これらのチューニングピンはオリジナルではなく、以前に修復した方が取り替えたものと思われます。

2019年10月23日水曜日

解体4

有効弦長測定

巻線注文のための測定

巻線注文のための測定

1925年製GROTRIAN STEINWEG グランドピアノ2m20
弦を外した後、すべての有効弦長(弦が振動して音を発する部分の弦の長さ)を測定しました。
有効弦長と弦の太さから弦の張力を計算し、新しく張る弦の太さを決定します。
また、巻線(鋼鉄弦の芯線に銅線を巻きつけて作る低音弦)は、専門業者に特注するため、ヒッチピンから駒ピンまでの長さとヒッチピンからアグラフまでの長さを測定しました。
このデータをドイツのヘラーバス(https://www.hellerbass.eu/ja/)に送り、このピアノのための巻線を製作してもらいます。


2019年10月20日日曜日

解体3







1925年製GROTRIAN STEINWEG グランドピアノ2m20
弦を緩めてテンションを落としました。
全ての弦が張りつめている状態では、全体で20トン以上もの張力がかかっています。
その膨大な力を主に鉄骨が支えているわけですが、鋳物の鉄骨は力のバランスが崩れるとどこかにヒビが入ることもあり得ます。
それを避けるために、弦を緩める時は、少しずつ少しずつ、全体にわたり満遍なく緩めていき、最終的に全部が完全に緩むようにします。
反対に、新しい弦を張る時も同じように、偏りなく全体的に少しずつテンションを上げていき、最終的に正しい音を出せるテンションに持っていかなければなりません。

弦が完全に緩んだら、全ての弦の太さを測定します。
張力計算をして、新しく張る弦の太さを決定するためです。

2019年10月18日金曜日

解体2







1925年製GROTRIAN STEINWEG グランドピアノ2m20
ダンパーとダンパーアクションを取り外しました。
ダンパーアクションには、弦が長く音が止まりづらい低音の方だけスプリングを追加している工夫がされていました。

2019年10月16日水曜日

解体1






ウィペン

鍵盤

鍵盤とウィペンをつなぐ部品


1925年製GROTRIAN STEINWEG グランドピアノ2m20
全体的によく観察した後、解体を始めました。
アクションを取り出し、観察しながら注文する部品をチェックしていきます。
このアクションは、現代の世界的に統一化されたアクションになる少し前のアクションなので、オリジナルです。
よく見てみると、細かいところに工夫がされており、優れたアクションだと思います。
良いタッチを求めてグロトリアンが行き着いた形かもしれません。
しかしこの後の時代になると、安く大量に、そして調整しやすい簡素化されたアクションに統一化されていきますので、この形のアクションは消えていきます。
昔ながらのアクションは、調律師や修復師にとってはやりにくい厄介な面がありますが、こだわりのものの良さもあります。
このピアノは鍵盤も長く、鍵盤とウィペンの間に今では使われなくなった部品が一つ余分に付けられて、スムーズなタッチを求めています。
修復後にはきっと良いタッチが得られると思います。

2019年10月14日月曜日

修復前の音5


修復前の音5
シューマン「トロイメライ」
演奏:北軽井沢ミュージックホールサポーターズ 石渡江里子


1925年製GROTRIAN STEINWEG グランドピアノ2m20
修復前の音をお聴きください。
修復前の音色は、各種部品の消耗のため、音がきつくて聴き苦しく、またタッチが揃わず弾きにくいのでピアニストも思うように表現することができません。
しかしこの状態でも、ピアノの持っている性格を感じることができます。
修復後に同じ曲を同じ場所で同じ人に弾いてもらい、録音したいと思っています。
どのように変化するのかをお楽しみに!

2019年10月12日土曜日

修復前の音4


修復前の音4
ショパン「ワルツ9番」
演奏:北軽井沢ミュージックホールサポーターズ 石渡江里子


1925年製GROTRIAN STEINWEG グランドピアノ2m20
修復前の音をお聴きください。
修復前の音色は、各種部品の消耗のため、音がきつくて聴き苦しく、またタッチが揃わず弾きにくいのでピアニストも思うように表現することができません。
しかしこの状態でも、ピアノの持っている性格を感じることができます。
修復後に同じ曲を同じ場所で同じ人に弾いてもらい、録音したいと思っています。
どのように変化するのかをお楽しみに!

2019年10月10日木曜日

修復前の音3

修復前の音3
ヨハン・フィリップ・キルンベルガー「パスピエ」
演奏:北軽井沢ミュージックホールサポーターズ 石渡江里子


1925年製GROTRIAN STEINWEG グランドピアノ2m20
修復前の音をお聴きください。
修復前の音色は、各種部品の消耗のため、音がきつくて聴き苦しく、またタッチが揃わず弾きにくいのでピアニストも思うように表現することができません。
しかしこの状態でも、ピアノの持っている性格を感じることができます。
修復後に同じ曲を同じ場所で同じ人に弾いてもらい、録音したいと思っています。
どのように変化するのかをお楽しみに!

2019年10月8日火曜日

修復前の音2

修復前の音2
ベートーヴェン「メヌエット ト長調」
演奏:北軽井沢ミュージックホールサポーターズ 石渡江里子


1925年製GROTRIAN STEINWEG グランドピアノ2m20
修復前の音をお聴きください。
修復前の音色は、各種部品の消耗のため、音がきつくて聴き苦しく、またタッチが揃わず弾きにくいのでピアニストも思うように表現することができません。
しかしこの状態でも、ピアノの持っている性格を感じることができます。
修復後に同じ曲を同じ場所で同じ人に弾いてもらい、録音したいと思っています。
どのように変化するのかをお楽しみに!

2019年10月6日日曜日

修復前の音1

修復前の音1
モーツァルト「ピアノソナタ11番 3楽章 トルコ行進曲」
演奏:北軽井沢ミュージックホールサポーターズ 石渡江里子


1925年製GROTRIAN STEINWEG グランドピアノ2m20
修復前の音をお聴きください。
修復前の音色は、各種部品の消耗のため、音がきつくて聴き苦しく、またタッチが揃わず弾きにくいのでピアニストも思うように表現することができません。
しかしこの状態でも、ピアノの持っている性格を感じることができます。
修復後に同じ曲を同じ場所で同じ人に弾いてもらい、録音したいと思っています。
どのように変化するのかをお楽しみに!

2019年10月4日金曜日

2019年10月2日水曜日