2020年4月1日水曜日

修復を終えて






1925年製GROTRIAN STEINWEG グランドピアノ2m20
北軽井沢ミュージックホールの歴史のにおいて重要な意味を持ってきたグロトリアンピアノを、応援してくださる多くの方々のご寄付により修復することができ、質の高いピアノを甦らせることができたことを、大変幸せに思っています。
修復は特別大きな問題も起こらず順調に進みましたが、細かな部分も合わせると大変多くの作業が必要でした。
必要と思われる修復作業は全て行ったつもりですので、今後はミュージックホールで皆様に堂々と弾いていただける状態になっています。

修復を通して、ドイツ製らしいしっかりとしたピアノだということを実感しました。
特に、1925年というドイツのピアノ製造界が大変盛り上がっていて質の高いピアノを製造していた時期に作られたこのピアノは、100年近く経っても使われている木材は傷まず、生き生きとしていました。

音色の魅力は、深い低音と明るく歌う高音です。
とりわけ低音の魅力は、ドイツらしく格別感動的だと思っています。
修復後、ピアノはさらにどんどん変化していきます。
弾けば弾くほど楽器の鳴りは良くなってきます。
音楽を奏でながら楽器自身も豊かに育っていきます。
どうぞ皆様、現役に戻った楽器を大いに弾いて楽しんでください。
もったいないからと、飾りにしないでください。
幸せな音楽を奏でれば奏でるほど、楽器も幸せな人生を送ることができます。
楽器はエネルギーを取り戻し、張り切っております。

ミュージックホールの思い出がいっぱい詰まったこのピアノが、今後多くの方々に愛され、豊かな音楽を奏でて皆様と幸せな時間を分かち合っていってくれることを願っております。

これでこのブログを終了します。
長い間ありがとうございました。

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